護岸が完成しても、港が完成しても、そこを使う人が工事のことを思い出すことはほとんどありません。
船はいつものように港を出ていき、漁船が戻ってくる。
岸壁では荷物が積み降ろされ、そのすぐそばを車が走り、人が暮らしている。
それが、いつもの風景です。
でも、その「いつも」をつくり、守っている仕事があります。
久栄建設が携わっている港湾土木も、その一つです。
消波ブロックをつくり、波の力を弱める。
海底に魚礁を沈め、魚たちが棲む場所をつくる。
海底に石を入れ、バックホウで均す。
鋼管や矢板を打ち込み、港や海岸の構造物を支える。
古くなった護岸を直すこともあれば、新しい港湾施設をつくる仕事もあります。
仕事の内容は現場によって違います。
けれど、その先にあるものは同じです。
海のそばで暮らす人たちの生活を支えること。
そして、この仕事には少し不思議なところがあります。
一生懸命つくったものが、完成すると見えなくなってしまうことがあるのです。
魚礁も、海底に敷き均した石も、海の中へ沈めた構造物も、完成すれば海面からは見えません。
護岸や防波堤も、完成したばかりの頃は新しい構造物ですが、何年か経てば、それがそこにあることすら誰も意識しなくなります。
景色の一部になるからです。
「これ、俺たちがつくったんよ」
そう言える仕事もあります。
でも、誰にも気づかれない仕事もあります。
それでいいのだと思います。
何も起きない。
港がいつも通り使える。
船が安全に行き来できる。
海のそばで、いつも通りの暮らしが続いていく。
その「当たり前」が何十年も続いていくことこそ、私たちの仕事が残したものだからです。
久栄建設がつくっているのは、港や護岸だけではありません。
海とともに暮らす街の「いつも通り」をつくっています。